「サッと出して、すぐ書く」ができる万年筆を探していた。
仕事が立て込んでいた時期、「すぐに書ける万年筆が欲しい」と思ったことがあります。
「またキャップ外すのめんどくさい…」
本来、私は万年筆が大好きです。
ボールペンにはない書き味、インクの濃淡、手に馴染む感覚。
しかし、一般的な万年筆の多くは「ネジ式キャップ」を採用しています。
両手を使ってクルクルとキャップを回し、外したキャップをお尻に差し、ようやく書き始める……。
この一連の動作が、忙しい場面では意外とストレスになります。
「もっとサッと出せて、すぐに書ける万年筆はないものか」
そう思って探し始めた結果たどり着いたのが、
PILOT キャップレス デシモ
でした。
万年筆といえば、キャップを外すものだという固定観念があったため、「ノック式の万年筆?」と最初は半信半疑でした。
しかし使ってみると、その便利さに驚きました。
当初は手帳に刺して持ち歩いていましたが、今は日記を書くメインの1本として活躍しています。
ノック式のおかげで、片手でペン先を出せるスピード感が本当に便利。
ネジ式キャップの万年筆より明らかに使い勝手が良かったです。

結論:万年筆とボールペンの“いいとこ取り”
万年筆の書き味、ボールペンのスピード感。
ノックするだけでペン先が出て、そのまま書ける。
キャップを開ける必要がありません。
それでいて、書き味はしっかり万年筆。
この「スピード」と「書き心地」の両立が、
キャップレス万年筆の最大の価値だと思います。
外観とスペック
パイロット「キャップレス」の歴史は古く、1963年の誕生以来、世界中で愛されてきたパイロットの看板製品です。
その中でも「デシモ」シリーズは、よりスリムで軽量に進化を遂げたモデルです。
外観
色は現在8色(限定色有り)。シルバー+選んだ色で、全体的にメタリックな明るい色調です。
目を引くのは、ペン先が出る側にクリップが付いているという「逆転のデザイン」です。
ペン先を常に上に向けて保持することで、インク漏れを防ぐための極めて合理的な設計となっています。
筆記時にはこのクリップを親指と人差し指で挟む形になるため、実は「正しい持ち方」を自然にサポートしてくれるガイドの役割も果たしています。
スペック
- ペン先:18K金(金ペン)。字幅はEF, F, Mの3種。
- コンバーター/カートリッジ両対応。
- 軸:アルミ ヘッド:ステンレス クリップ:鋼鉄
- 全長139.5mm、最大径φ12mm
- 重さ21.0g(空芯時) コンバーター/インク入れると約30g前後
デシモのペン先は、スリムな見た目に反して本格的な「18金」です。
金ペンならではのしなやかな弾力があり、長時間の筆記でも手が疲れにくいのが特徴です。
太さはEF(極細)、F(細字)、M(中字)から選べますが、ビジネス用途であれば、手帳への細かな書き込みにも対応できるEFやFが特におすすめです。
最大径φ12mmとやや細身(カスタム742は最大径φ15.7㎜)で、胸元や手帳に刺しやすいサイズ感です。
重さも21gと軽く見えますが、スリムな見た目の割に重量感があり、手に持つと「あ、思ったより重いな」と感じます。
インク供給はコンバーターとカートリッジの両対応です。
カスタム742のレビューでも書いた通り、私はカートリッジ派。
カスタム742とは別色を入れて、色味の違いを楽しんでいます。
今入れているのは、パイロット「色雫」シリーズ、竹炭という色です。↓
本音レビュー:実際に使って感じたこと
良かった点
- とにかく「速い」
やはりここがノック式万年筆の一番のメリットで、「キャップを開け閉めする手間がない」ことです。
例えば、日記を書きながら「次は何を書こうか」と思案する数分間。
ネジ式の万年筆ならインクの乾燥を防ぐために一度キャップを閉めますが、デシモならカチッとノックするだけ。
思考が再び走り出した瞬間、またカチッとノックすれば、すぐに続きが書ける。
「書くことを考える時間」と「実際に書く時間」をシームレスにつないでくれる感覚があります。 - 金ペンらしく柔らかい書き味
書き味は18金らしく柔らかく、カスタム742よりもさらに柔らかい印象です。
紙の上をペン先が滑るような感覚で、長く書いていても疲れにくい。
ペン先自体が小さいからこその、独特なしなりがあるように感じます。 - コンバーター/カートリッジ両対応。
カートリッジ派としてはここも欠かせないところ。
インクの管理が楽なので、個人的に助かります。
気になる点
- ペン先(ニブ)の安定感
ノック式の構造上、キャップ式の万年筆と比べてニブはコンパクトです。
そのため、書き味の安定感は好みが分かれると感じました。
個人差はありますが、スタンダードな万年筆のニブに慣れた人は、最初に違和感を覚えるかもしれません。 - インクの乾きはやや早め
優れたシャッター機構を備えていますが、ネジ式キャップほどの完全な密閉性はありません。
私の場合、1ヶ月ほど放置して「ギリギリ書き出せる」という状態でした。
毎日使う分には全く問題ありませんが、たまにしか使わない人はインクの乾燥に注意が必要です。 - クリップの位置
前述の通り、クリップを持ち手の親指と人差し指で摘まむ形で使用するため、ペンの持ち方によっては干渉する可能性があります。
購入前に実店舗で試し書きできるなら、ぜひしてみてください。
向いている人/いない人
向いている人
- サッと書ける万年筆が欲しい人。
- 片手で使える万年筆が欲しい人。
- 手が小さめの人(スリムなサイズ感が合いやすい)。
- 万年筆2本目以降で、用途を分けたい人。
電話しながらだったり手帳を開きながらなど、片手でサッと書きたい人には特におすすめです。
また、スリムで引っ掛かりがないので、手が小さい人にはサイズが合いやすく、胸ポケットにもスッキリ収まります。
向いていない人
- 筆圧が非常に強い人。(万年筆全般)
- ペンの持ち方に癖がある人。(クリップ部が干渉する可能性あり)
- 大きなニブが好みの人。
- オーソドックスな万年筆を求めている人。(これは少し特殊枠)
特にペンの持ち方に癖がある人は注意が必要です。
まとめ:万年筆に「手軽さ」を
万年筆は本来、少し手間のかかる道具です。
ですが、この一本は違います。
すぐ使える万年筆
という、新しい価値を持っています。
万年筆の良さを残しながら、日常のスピード感にも対応できる。
だからこそ、
「万年筆を使いたいけど、面倒なのは嫌」
そんな人にとって、
ちょうどいい一本だと思います。



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